NEWS

本学の横澤一彦教授 代表者「共感覚の表象構造と形成過程に関する研究」が、2024年度の科研費基盤研究(A)として採択

横澤一彦教授が研究代表者となる、「共感覚の表象構造と形成過程に関する研究」が、独立行政法人日本学術振興会が行う2024年度の科研費基盤研究(A)として採択されました。

横澤教授が、当該分野での活躍が著しい、東京大学、京都大学、新潟大学に所属する研究分担者の参画を得て、研究リソース(共感覚者プール、乳幼児プールなど)を活かし、高度に洗練された実験パラダイムを土台としながら、共感覚という重要な現象を多面的に解明する研究計画であり、国際的に非常に高い研究実績を有する横澤教授が中心となり、2024年4月から3年間の大型研究プロジェクトに取り組みます。

【研究の目的・意義】

共感覚の特徴および全貌を明らかにすることを目的とします。共感覚と芸術など創造性との関係については、科学的検証の不足した言説が社会に広まっていることや、思春期における共感覚者は、共感覚という少数派の認知特性を持つことによる不安や偏見に悩む実例が多数存在します。共感覚を解明し社会的認知を高めることで、多様性への理解を促進し、共感覚者の不安を軽減し偏見のない社会を目指すなど、大きな社会貢献が期待されます。

【共感覚】

共感覚とは、ある情報入力に対し、一般的に喚起される認知処理に加えて別の認知処理も引き起こされる現象です。その一種である色字共感覚とは、文字に特定の色(共感覚色)を感じる現象です(例:「か」という文字に山吹色の印象を覚える)。文字と色との対応関係が長期にわたって安定している人は色字共感覚者と見なされ、最近の統計によれば人口の1~2%の確率で存在します。

共感覚のさらに詳しい詳細はこちらから(一般社団法人共感覚研究所HPより)

講演会の様子

【横澤一彦教授 略歴】

1956年生まれ。東京工業大学大学院総合理工学研究科修了。NTT基礎研究所主幹研究員、南カリフォルニア大学客員研究員、カリフォルニア大学パークレイ校客員研究員、東京大学人文社会系研究科教授を経て、2022年に定年退職し、現在東京大学名誉教授、日本国際学園大学(現:筑波学院大学)経営情報学部教授。工学博士、認定心理士。認知心理学、認知科学の分野で、国際的に高い評価を受けている多数の学術論文を執筆しているほか、単著の「視覚科学」(勁草書房)、「つじつまを合わせたがる脳」(岩波書店)、「感じる認知科学』(新曜社)に加え、多数の編著書がある。

横澤一彦教授が所長・代表理事を務める共感覚研究所についてはこちらから

オープンキャンパス2024 資料請求